東京・墨田区の病院が、いわゆる「赤ちゃんポスト」を開設してから1ヶ月がたち、相談が寄せられている以外にも、生後間もない赤ちゃんが預けられていたことがわかりました。
この名称「赤ちゃんポスト」は、赤ちゃんをもののように扱うみたいで良い呼び名ではありませんが、逆にその内容を表現しているのも確かです。試みにAIにもきいてみました。色々出てきましたが、「いのちの窓口」「赤ちゃん安心ステーション」が最終案でした。個人的には、あわせて、『赤ちゃんの窓口』あるいは『赤ちゃん命の窓口』が良いのでは思いますが、皆さんどう思いますか?
15年前に開設された熊本では、これまでに161名が預けられて、中には18才になる男性もいるそうです。賛否両論はありますが、失われたかもしれない命が救われたことは何よりです。
ですが、世の中のこの問題に対する扱い方が、メディアを含めておかしいと感じるのは、私だけなのでしょうか。この施設の開設の賛否ばかりが、話の中心になっているように思えます。それはもちろん大切でしょうが、より重要なのは、何故これが必要とされる社会なのか、そしてそのような社会が生まれた原因はどこにあるのか、どうしたらそれを正せるのか、それこそが話の本質ではありませんか。
施設を開設した院長などは、その社会全体を変える力が無いから、せめて出来る事をやるのだというお考えのようです。社会全体に関わる課題に対処するのは、たしかに政治家の役割であり、彼ら彼女らの怠慢だと言えるでしょう。しかし、政治家の責任の前に、果たして世の多くの人達は、この問題が生まれた社会について、理解が進んでいるでしょうか?
原因の1つが、家庭や家族の崩壊であり、それを生んだのが行き過ぎた個人主義です。これを真正面から取り上げないでいるかぎり、この様な施設はなくならないでしょう。詳しくは、弊著などを参照してください。
令和7年5月1日(木)